今回は木管楽器用リガチャーとして多くの方に愛用されている“シルバースタイン”製リガチャーへのメッキ加工のご依頼から完成までの長い長い道のりをご紹介させていただきます!
タイトルにある通り、完成まで色々と困難な道のりでした。
今回はご依頼主様に掲載許可をいただきましたので、同製品にメッキ加工を検討されているお客様の参考になれば…と思います!
※参考になるような説明できてませんが…
まず今回のご依頼は
もともと持っているGP仕上げのシルバースタインを
「サテン フェリックゴールド メッキにしたい!」
というもの。
ご依頼いただいたのが5月。完成したのが10月。
この5か月間の間に素材にメッキがうまくつかなかったり、メッキ代が3倍ほどに跳ね上がったり、サテンからヘアライン加工に変更したり…
と困難だらけでした。
細かくながーーーい文章にしようと思ったのですが、途中まで書いていて、ありえないくらい長文になってしまいましたので、簡潔に結果報告いたします!
※費用や作業内容など詳しく詳細を知りたい方はお気軽にお問合せください。
今回のメッキ完成までの流れを簡単に説明すると
①メッキ加工依頼&工場に送る(5月初旬)
②メッキがうまくのらず密着不良で返ってくる(5月末)
(水膨れみたいなすごい状態でした…)
ここで工場の方に素材調査をしていただき、初めてステンレス材にイオンプレーティング加工されていることが判明。
イオンプレートは専用の剥離剤が必要で剥離費用がびっくりするくらい高額。(リガチャーもう1個買えます)
③何とかしてコーティング剥離方法を考える。
このタイミングでメッキ工場値上げ(6月)
⑤サテン加工を諦めてヘアライン加工にする方法を思いつく。
⑥ガリガリっとヘアライン加工してメッキ工場に送る。
⑦ネジ山の隙間のコーティングを剥がさないとメッキできないと連絡がくる。
※メッキ工場の方の話ではメッキするのは薬品剥離が必須とのこと。
⑧薬品剥離してもらってからフェリックGP加工(9月)
※最初から薬品剥離するのが結果的に一番ですね…
⑨無事に完成して工場から戻ってくる(10月)
ものすごく簡単な説明でしたが、シルバースタインに再メッキしたい場合は「イオンプレーティング剥離」が必須とのことです。
今回はメッキ工場で剥離もお願いしましたが、剥離専門の工場などであれば費用も変わってくると思います。
楽器店さんで気を付けてほしいのは、くれぐれも表面を鏡面にした程度の下処理でシルバースタインをメッキ工場に送らない。ということです。(私は預かって軽くそのまま送ってしまいました…)
メッキ工場も届いた物にそのままメッキ加工するので絶対に密着不良が出ます。
イオンプレートの上にはメッキは掛けれないそうです。
密着不良で返ってきた写真はひどい状態なのでここには掲載しませんが、そのままではお客様にも返せないし、密着不良でついてしまったメッキを落とすのにも手間と費用がかかります。。。
と、色々ありましたが、何とかご依頼主様にも納得のいける仕上がりにできてホッと一安心です。
こんな感じに少しヴィンテージ風?な仕上がりになりました。
長文失礼いたしました!!
今後もレマンテブラスをよろしくお願い致します!