マウスピースは、リム、カップ、スロート、バックボアから成り立っています。各部の形状は大きい小さい・深い浅いなど多少の違いがあり、それを組み合わせるため各社から多数のマウスピースが製造販売されています。その中から「どのマウスピースが自分に合っているか」はとても難しい問題です。
一般に、トランペットやトロンボーンの場合、リム内径が大きいマウスピースは音色が太くクラシック向き、対して小さいマウスピースは音色が明るく、ジャズやポップス向きと言われます。このように自分が求める音色やジャンルである程度のモデルは絞られます。あとは、少しでも自分の理想とする音色に近づき、理想とする奏法がしやすいモデル、また全音域が無理なく出せるモデルを選びましょう。
初心者の方は極端にリム内径が大きかったり小さかったり、カップが深すぎたり浅すぎたりするものは選ばず、中庸なものから始めるのが無難です。
リム
リム内径:小さい
■高音域が出やすく、体力のなさをカバーします。
■音量は小さくなります。
リム内径:大きい
■低音域が安定し、コントロールしやすくなります。
■音量は大きくなります。
リム幅:薄い
音のコントロールが楽になり、幅広い音域をカバーしますが、疲れやすくなる傾向があります。
リム幅:厚い
高音域が楽になり長時間の演奏が可能ですが、唇が固定されるためコントロールが難しくなります。
他に、丸みをおびたリムは柔軟性があり吹きやすく、角張った縁のリムは音が明るくなりアタックが正確になるという特性もあります。
カップ
カップの深さ:浅い
■特に高音域で音を明るくし、演奏が容易になります。
■音量は小さくなります。
カップの深さ:深い
■特に低音域が出しやすく、暗く柔らかい音になります。
■音量が大きくなります。
カップの形状にも、Uカップ・Vカップ・ダブルカップといった種類があります。
Uカップは高音域が楽になり、Vカップは低音が出やすくなります。
スロート
息の通り道の一番細くなっている部分です。
スロート径が細いと抵抗が強く、高音域は吹きやすくなるが、つまりぎみの音色になります。
スロート径が太いと息の抵抗感が弱く大音量が得られるが、ピアニシモが難しくなり、また疲れやすくなります。
ポイント
〇まずは、今使っているマウスピースに近いモデルで、自分の理想に近づくモデルを探しましょう。
〇初心者の方は演奏するジャンルで標準的に使われているモデルを試してみましょう。
マウスピースを選ぶ上で、表面仕上げも大切なポイントとなります。マウスピースのモデル+メッキの種類によって、自分の理想とする音色をさらに深く追求することが可能です。
素材
金管用マウスピースとして一般的に用いられているのが真鍮(比重8.5)です。真鍮は重さを変えることができ、軽いものは反応が良く柔軟性に富み、重いものはパワフルな演奏が可能です。
表面仕上げ
表面に施されているメッキは、種類によって吹き心地や音色に微妙な影響を与えています。
また、メッキを施す部位によっても効果は変わります。
※⾳の特徴は、⾦属固有の特性に由来するものですが、感じ⽅には個⼈差があります。
銀メッキ
真鍮製マウスピースとの最適なマッチングを持つのが銀メッキで、実際多くのマウスピースに採用されている仕上げです。響きはややダークで落ち着いた音色になります。
また、銀メッキは、安全面において信頼性の高い仕上げです。
リム・インナーゴールド(金メッキ)
リムとカップ内部にメッキを施すことで滑らかな口当たりとレスポンスの良さが特徴です。
全体メッキと吹奏感に大きな違いはありませんが、見た目の美しさからリム・インナーを好む奏者も多い仕上げです。
金メッキ
銀メッキに比べ抵抗感は増しますが、柔らかな音色から華やかで輝かしい音色まで音の自由度が高く幅の広い表現が可能となります。
また、唇への感触が滑らかなため銀メッキよりリップコントロールが容易です。ある程度酸化を防ぎ錆びにくいという利点もあります。
ボトムサテン仕上げ
通常の光沢のあるメッキ仕上げに対し、表面に艶消し加工を施した仕上げのことをサテン仕上げといいます。光沢仕上げに比べ、音色に響きが増し、まとまりが出る傾向にあります。
各メーカーから販売されているマウスピースの表面仕上げは銀メッキ・金メッキ・リムインナーゴールド仕上げの三種類がほとんどですが、表面仕上げの種類は他にも多数ございます。当店ではお客様の私物品や当店でご購入のマウスピースに対し、オーダーメッキ加工を承っております。自分好みの色、理想とする音色に近づくよう、全力で応援いたします!
新しいマウスピースはこちらからご購入できます。