■ マウスピースのメッキは音色や吹奏感に違いがあるのか?
金管マウスピース編その②です!
前回はメッキ加工で需要の多い、金メッキ、ピンクゴールド、フェリックゴールドを紹介しました。
→ 前回の記事「メッキの特徴その①」
今回は少し特殊なメッキをご紹介します!
金管マウスピースとしてはあまり使用されていないメッキばかりですので、メッキ後の変化はかなり大きいものだと思います。
口当たりや吹奏感など大きく変わりますので、大切なマウスピースにメッキをする場合は要注意です。
逆に吹きにくくなってしまう可能性も…
■ 各メッキの特徴
【シャンパンゴールド / 金とニッケルの合金】
シャンパンゴールド…素敵な名前ですね♪
その名前の通りシャンパンのような色(薄い金)をしたメッキです。
シャンパンゴールドは、楽器や身に着ける装飾品にはほとんど使用されない珍しいメッキです。
ちゃんと理由はあって、素材に含まれるニッケルが金属アレルギーに反応しやすいという特徴があるからです。
なので、直接肌に触れる貴金属にはあまり使用されていないメッキです。
管楽器でもリガチャーなどには効果的ですが、直接唇が触れるマウスピースにはあまり向いていないメッキと言われています。
こう説明を聞くと「シャンパンゴールドはやめておこう」と思ってしまいますが、実は音色という点で見ると個性があり魅力的なメッキ加工でもあるので実に悩ましいところです。
シャンパンゴールドの特徴としては、「全体に硬質なサウンド」「はっきりとした音」という意見が最も多いです。
口当たりは滑りにくくも、滑りやすくもなく標準です。
ピンクゴールドの音色と対極にあるようなサウンドでジャズ、ポップスなどでは人気も高いように思います。
実際にジャズ奏者のシグネチャーモデルでシャンパンゴールドのマウスピースもあったりしますね!
当店でも試奏した方からの評判はとても良いマウスピースですが、このメッキが原因で金属アレルギーになってしまった。。。というお客様も実際におられました。
シャンパンゴールドを希望の方は一度試奏してからの方が安全かもしれませんね。
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【グリーンゴールド / 金と銀の合金】
グリーンゴールドはキレイな緑色のメッキです。
薄っすらとしたグリーンでとても美しいですね♪
銀と金との合金メッキですので、通常の金メッキよりも銀メッキよりの特徴が強い傾向にあります。
口当たりはややグリップ感があり、金メッキほど滑らかではありません。
音色は音の太さが増す印象があります。
これは実際に自分のマウスピース(バストロンボーン用)にグリーンゴールド加工して試した感想ですが、全体に息が引っ掛かるような感覚になり、しっかりと息をいれないと音が響かなくなったように感じました。
銀メッキよりも引っ掛かりが強く、金メッキよりも滑らかさのない両方の悪いところだけを取ってしまった。。。というような感じです。
逆にしっかりと息を吹き込んで演奏する方には相性の良いメッキなのかもしれませんね。
もちろん個人差もありますし、今回はサイズの大きいバストロ用でしたのでトランペットやホルンなどではまた違った印象になると思います!
決して悪いメッキということはありませんので、是非店頭で試奏していただけると嬉しいです♪
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【ロジウムメッキ】
ロジウムメッキは身に着けても安全なメッキとして装飾品に多く使われるメッキです。
プラチナと同じ白金族の金属で、とても硬い金属ですが比重が金、プラチナよりも小さく楽器に施した際の吹奏感はプラチナほど重くはありません。
マウスピースでは明るくハッキリとした音色になる傾向が強くのですが、実際にマウスピースに加工する方は少なく、
ネジなどの固定パーツに施す方が効果が高いメッキだと思います。
とにかく明るく抜けの良い音色を求める方には相性のいいメッキかもしれませんね♪
音色は少し硬く締まったような印象があるかもしれません。
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【ルテニウムメッキ】
ルテニウムはまず見た目がカッコイイですね!!!
下地に薄く金メッキをしてからルテニウムをかけています。
音色は「野太い」「パワフル」「ハスキー」といった荒々しい印象の強いメッキです。
他のメッキではあまり変化を感じることがない方も、ルテニウムは吹いた瞬間(聴いた瞬間)に違いがわかるくらい変化の大きいメッキです。
マウスピースではあまり使用されないメッキかと思いますが、個性的なサウンドで面白いメッキだと思います。
クラシックでも使用できますが、どちらかというとジャズ、ポップス演奏に向いているメッキかと思います。
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【プラチナメッキ】
プラチナメッキはマウスピース、リガチャー、楽器本体とどこにでも相性の良いメッキのひとつです。
ただし、メッキの抵抗が強く、しっかりと響かすのに力がいる傾向にあるので、軽いサウンドや、軽い吹奏感を求める方には合わないメッキです。
音色は太いサウンドで遠くまで直進的に伸びるのが印象的ですが、ルテニウムの太さと違い、密度のある音色で音痩せしにくい特徴があります。
また口当たりの良さや、金属アレルギー対策としてリム・インナー部分のみプラチナにする方も多く、人気の高いメッキ加工です。
こちらもロジウム、ルテニウム同様、パーツ類へのメッキ加工でも効果の高いメッキだと思います。
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■ サテン仕上げについて
これまでに紹介したメッキ加工には全てサテン加工を施すことが可能です。
サテン仕上げとは表面をザラザラの艶消し加工にすることです。
サテン加工することで金属表面が変化し音色も変わると言われています。
一般的には抵抗感が増したり、音色が太くなると感じる方が多いようです。
またサテンにすることでシャンク部に傷がつきにくいのも特徴です。
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■ 是非色々なメッキを試してみてください♪
当店で取り扱っているメッキの特徴をご紹介しましたが、メッキの種類は他にもたくさんあります。
最終的には吹く人それぞれ感覚は違いますが、最近では色んな楽器店でメッキ加工品を試せる機会も増えてきています。
是非色んなメッキ品を試して自分だけのお気に入りを探してみてください♪
その他のメッキの特徴の記事もございます♪
【メッキの特徴:金管マウスピース編①】
【メッキの特徴:木管リガチャー編①】
【メッキの特徴:木管リガチャー編②】
マウスピースなどへのメッキ加工はお気軽にお問合せください♪